お連れの方は、正妻です2/2
先日、母はいつものように
リハビリ病院へ父を見舞いに行ったのだそう。
コロナウィルスの影響で、お見舞いに制限時間が設けられ
一人10分までとなったらしい。
短くなった時間に、急いでいたのだろう。
みんなの集まる食堂をざっと見渡して(自分の夫が)いないことを確認すると、
すぐに病室へ向かったのだそう。
しかしそこには、いなかった。
リハビリ中なのではとホールへ向かったが、
そこにもいない。
母は、受付の職員さんに聞いた。
「すみません、××号室に入院の〇〇ですが、主人がいないようなんですが…」
「ああ、〇〇さんなら食堂にいらっしゃいましたよ。ほら、あそこに。」
手のひらで示された方向に目をやると、食堂の柱の陰に少し隠れて
車椅子の男性が座っていた。
その時、母は愕然としたという。
「自分の旦那が分からなかったんだよ…。
柱の陰に一人、おじいちゃんがいたのは気づいたけど、
まさか自分の旦那だとは…あんなに歳をとってしまったのか…。」
「お連れの方」と呼ばれてしまう母は、ようやく現実が見えたようです。。。