友人を探して
明け方、高校の修学旅行の夢をみた。
***
私たち一行がホテルに到着すると、ロビーに
サーカスのピエロのような恰好をした、クラウンがいた。
立て看板の前に立ち、手にはトランプを持っている。
到着を歓迎して、手品を披露していた。
が、自分にはそう見えなかった。
***
私たちは、それぞれの部屋に入った。
友人は、荷物を置くなり
イルカと泳ぐオプションツアーに参加してくる、と言って
出かけていった。
確かにロビーに立て看板があったな。
イルカの絵が描いてあったっけな。
夕飯の時刻が近づく。
友人は
いつまでたっても、部屋に帰ってこなかった。
同部屋の友達もみんな心配になってきた。
私は、友人を探しに部屋を出た。
部屋のドアを開けると、深紅の絨毯が目に入った。
ドアの先に、不自然にトランプが散らばっていた。
これは…?
トランプのさらに先には、白い大きな柱があり、人影が見えた。
ロビーにいたクラウンだ。
私は遠巻きに彼を観察した。
今はクラウンではない。
丸眼鏡をかけた男性が一人、柱の壁にもたれかかって煙草を吸っている。
仕事の休憩中なのか。
もしかして、この男性が友人をさらったのでは…?
勘づいた私は、柱の陰に近づく。
「私の友人が、どこへ行ったか知っているだろう。」
男性は、柱の陰からゆっくり姿を現し
部屋の前に散らばっていたトランプを、奇術?で手元に引き寄せた。
そしてトランプを勢いよく空中へ放り投げた。
と同時に、白煙があがった。
…
柱の下に
たばこの吸い殻だけが残っていた。
男性の姿は、どこにもない。
…
私は、帰ってこない友人を探さなければならない。
(夢の中でも、非常に焦っている設定となっておりました)