10月
第一週
長女の中学校でその日、校外学習が予定されていた。
コロナ以降、初めての学校イベントである。
観光地に行きそこの歴史に触れ、美味しい名物を食べ、
クラスメートと親交を深めてくる、というような趣旨であった。
…
長女の通う中学校は、保護者へのメール配信がマメである。
紙のプリントで配られた連絡事項と同内容のメールはもちろん、
ホームページ更新のお知らせ(学級花壇の花や、秋らしい雲の様子や、校庭に迷い込んだ野良猫の写真などを含む)を随時知らせてくれる。
その日の朝、nは予定通り校外学習が実施されると思っていた。
延期や中止のお知らせメールが、学校から来ていなかったからだ。
少し早めに長女を起こす。
「あれ…今日って(校外学習に)行くの?」
行くでしょうよ。月間予定表にも、先月配られたプリントにもそう書いてあるよ。
「え~?昨日、帰りの学活で先生、何にも言ってなかった。ふつうに明日の時間割を黒板に書いてた。」
長女は親友に確認の電話をした。
「ママー!今日の校外学習、延期になったって。」
花や雲や小動物より、
校外学習の延期の方が、連絡事項として緊急性が高いのでは?
第二週
旦那さんが週末の計画を提案してきた。
「(緊急事態宣言が)解除されたことだし、今度の日曜は泊りでどこかへ出かけてみる?」
土曜に宿泊するってことですかね?日曜に泊まったら、翌朝は仕事だよ?
「次の日が休みだからさ、日曜はめいいっぱい子ども達と遊べると思うんだ。」
んん?子ども達は、翌日学校を休めと言うのか?
旦那さんの話とnの心の声は、どうもかみ合っていなかった。
…
今月11日(祝)は、みんなが休みだと勘違いしないように
家のカレンダーの赤で印刷された11の数字を、
見た目ですぐ平日と分かるように
マジックで上からなぞって、黒に書き変えていた。
旦那さんは
祝日の修正がされていない、自分のスマホのカレンダーを見ていたようだった。
誰もが目に付く場所に掛けてある家族カレンダーは、全く目にしていないことが
この一件で明るみに出た。
第三週
カレンダーを見て慌てて衣替えをした。
まだ暑いけどなと思いながらクローゼットの奥から冬物を引っ張り出していたら、
コウモリとカボチャ柄のオレンジ色の袋が出てきた。
これはもしや。
ハロウィンの壁飾りとミニかぼちゃの置物が入っていた。
そうだ、数年前に買ったんだった…。
今年もその存在に気づかないまま、飾られることもなくハロウィンは終わるだろう(と言ってる時点で、飾る気なし)
この既視感…。
第四週
10月は、気候の変貌ぶりが激しい。
上旬は暑い。半袖の服でも平気である。日中はうっすらと汗をかく。
それなのに下旬になると、
冷たく乾燥した空気が押し寄せ、一気に長袖となる。日常的な動作では、もはや汗はかかない。
10月の上旬頃
商品入れ替えのため、セール品の入浴剤をまとめ買いした。
ペパーミントエキス配合。
湯上りひんやりと爽やか。
すがすがしいソーダブルー。
さっぱりとしたグレープフルーツの香り。
フレッシュなシトラスの香り。
…
クール効果が仇となり、冷えが促進される。