人と住まい1/2
コロナで在宅ワーク&時差出勤が定着した今、
出勤日の朝は
ママチャリをこぎながら、ぼんやりと考えることがある。
「今日はまだ、団地内の道を通れるかな。」
取り壊し工事が進んでいる団地群がある。
その団地の敷地内には公道?があり、nの通勤路となっている。
その日、団地専属の清掃員だったおじいさんに会った。
おじいさんとは、知らずのうちに顔見知りになり一言二言交わす程度の間柄になっていた。
「おはようございます。」とnが声をかけると、
「おぉ、しばらくぶり。」という答えが返ってきた。
「工事が始まると、ゴミが捨てられやすくなるからよ。」と説明を加え
落ちていた吸い殻を、持参したらしいコンビニのビニール袋に入れた。
濡れた落ち葉やティッシュなども袋に入っているところを見ると、掃除をしているのだろうか。
両手には軍手をはめている。
長年染み付いた動作を、退職した後も繰り返し行うと、
いつもの日常が戻ってくる。