neillot’s diary

サラリーマンで三児の母の、はちゃめちゃ感あふれる日常

人と住まい2/2

元清掃員のおじいさんは、例の棟を不意に指差し、

「あの階に住んでたじいさん、どうなったか知ってるか?」と聞いてきた。

 

普通に引っ越していったんじゃ…?

ないのだろうか…

 

「文字通り、最期まで住んだんだとよ。」

「…。」

「俺は見たわけじゃないけどな。」

 

 

団地の住人が全員引っ越ししていった後も頑なに退去を拒否し続け、

電気もガスも水道も止まってもなお、最後の最期まで住み続ける行動は、

 

工事という巨大な不可抗力に抵抗しうる、最終の抗議形態だったのでは

なかろうか。。。

 

 

もし、元清掃員のおじいさんの話が本当ならば 。

建築の設計事務所に勤める者として、人と住まいの かくも深き結びつきを

いつも頭の片隅に入れて、仕事をしなければならないとおもう。