もはやクッションではない3/3
実家の父は、昨冬に脳梗塞を発症して以来
日常動作がやや難儀になった。
椅子に座る時は、背もたれ用のクッションが必要である。
先日実家に帰った妹は、
どこから出してきたのかトラネコのなおピークッションが
父の尻に敷かれている現場を見たのだそうな。
(彼女にとっては)衝撃の場面を
作り主の私に報告してきたという訳だった。
「なおピーがさ、お尻に敷かれてたんだよ!かわいそすぎるよ!
お尻の重みで綿の分布が変わって、なおぴーの刺繍部分が真っ平に
なっちゃったんだから!」
「あらら…。」
「だから代わりのクッションを早く買ってくるように(母親に)頼んどいたよ。」
母は速やかに別のクッションを買ってきたのだという。
そして、なおピークッションは(nの家へ持っていったという体で)
母の部屋のクローゼットで、保護しているのだそう。
考えてみれば、なおピークッションの本来の役目は、
クッションであるが故に、押しつぶされたり敷かれたりするのは
当然の定めだと思うのだが、
我が実家においては、
インテリア・家具の類ではなく
…ぬいぐるみ扱い??