一寸先は闇1/4
一寸先は闇―
旦那さんとnは、習い事のある長男次男を連れて
いつもの時間に、いつもの教室へ行った。
でも教室に、先生の姿はなかった。
時間になっても、いっこうに現れない。
普段は開始の30分前には教室へいらしているのに、おかしい。
保護者が代わる代わる先生のスマホへ連絡するも、一切応答なし。
先生のご自宅へ行ってみるも
家は鍵がかかっていて、チャイムに返事がない。
玄関先には、先生の自転車が置いてあった。(先生は自転車で教室にいらっしゃる)
外出した気配がなかった。
保護者達は、ただならぬ事態を想像した。
「ご自宅で何かの異変に見舞われたのではないか。」
たまたま先生のお嬢さんの番号を知っていた保護者の方が、急いで彼女へ連絡をした。
事情を話し、
警察を呼んで家の中に入ってもらい、状況を確認してもらってはどうかと打診してみた。
それには及ばないので大丈夫です、とのお返事だったので、
外出中だった先生の奥様が家へ戻られた。
二時間後。
奥様から連絡が入り
その日の稽古は、中止となった。
帰り道。
長男次男は、予定していた稽古は無くなったけれど、
お稽古仲間と遊べたので、大人たちのただならぬ気配は感じていなかった。
旦那さんとnは、お互い無言であった。
…
想像は、悪い方にしか膨らまない。