流血事件と不審者2/3
長女とnが帰宅すると、
長男次男は「事件があったんだよ!」と息せき切って教えてくれた。
6歳と8歳児の、興奮気味の証言は
とにかく聞いてほしい順、
自分の中で印象が強かった順、
頭にぱっと思い浮かんだ順、に話すので
時系列的に、
つながり的に、
設定的に、
おかしな箇所がたくさんあった。
長女とnは、次々にギモンが沸いた。
「これから家を出る時に(けんかを)見たの?散歩の後?」
「玄関の前?道ばた?どこよ?」
「うちのマンションの玄関に
土俵なんてないけど?」
「ポリースは、お相撲には参加しないでしょう…?」
おまけに長男8歳ともなると
語彙も増えて、言語の操作能力も高まってくる。
見たことしか話さない3歳児と違って
TVや本、漫画やインターネットから得た知識を、ヘンな方向で活用(?)し、
それらしい空想をなめらかに、事実に織り交ぜて
長女とnを大いに混乱させた。
「玄関で見たけんかの不審者が、散歩中につけてきた?
それ、ほんとう?」
「え、こん棒持って追いかけてきたの!?」
(こん棒って、手軽に手に入るものなの??)
長女とnは質問と突っ込みを入れつつ、多分こうだったんじゃないか?
という補いを以て、
事件の全貌が分かったのだった。
(証言中、旦那さんはソファーで寝ていました。)
警察官が
子供から聞き込み調査を行う際の苦労が、推して測れよう…。