別れ話1/2
nは地元でピアノを習っている。
中高年の趣味である。
会社付近にもピアノ教室があった。
そこの教室では、教室に通う生徒にのみ、
無料でグランドピアノを貸し出ししていた。
家に電子ピアノしかないnには、グランドピアノで練習できることは非常に魅力的であった。
今の先生に不満はない。
近所なので
熱波の日でも寒波の日でも、通いが楽である。
会いたい時に比較的すぐ会える、しかも自分で会いたい日時を自由に設定できる。
先生は、いつも穏やかで優しい。
一方、会社そばの教室は、家からちょっと遠い。しかも必ず週一ベースで会わなければならない。
都合の悪い日も出てくるだろうが、容赦はしない。でも、魅力的な要素が満載である。
どちらの先生も熱心であることには間違いない。
どちらがいいのか二人の間で迷う、さながら
リア充な彼/彼女の心境…