眼鏡を作った理由2/2
今持っている眼鏡は、今から約20年前に作ったものだった。
学生時代
大教室の黒板が、よく見えなかったからである。
勉学を終えてからは、
遠くの黒板やホワイトボードを見つめる機会がなくなり、
よって眼鏡をかける必要性もなくなった。
働き始めてからも
数回、転職したがいずれの職場でも
nの視力の及ぶ範囲内で、仕事は完結していた。
日常生活
わりと近距離を見つめることが、多いのであった。
では。
なぜここにきて、新しく眼鏡を作るのか。
20年の間に
顔がワンサイズ大きくなったことが明るみに出たから?
…
長女の卒業式をよく見たいから、である。
…
この理由は、以下の問いを呼ぶ。
しからば
去年の次男の卒園式、
さらに三年前の、長男の卒園式、
そしてさらに六年前の、長女の卒園式は、
よく見えなくてもよかったということか。
…はい。
涙でどうせ見えなくなるので、問題はナシ。
保育園の卒園式は、
六年間の込み上げる思いに泣いてしまった。
小学校の卒業式は、
込み上げた感情も、表には出すべからず!といった厳かな雰囲気がある。
これが、眼鏡を作った遠い理由。