neillot’s diary

サラリーマンで三児の母の、はちゃめちゃ感あふれる日常

上がって下がる2/2

ランチを終えて午後の仕事へ戻る途中、
マニュキュアの店の前で姉が立ち止まった。

 

「ちょっと見てっていい?」

 

姉は近々、友人の結婚式に出ると言っていた。

それならば、マニュキュアは入用だろう。

 

その店は、液体のマニュキュアではなく、

貼るタイプのマニュキュアを販売していた。

 

 

「乾くまでの時間が、待てないんですよねー。」と店員さん。

 

姉はうなづいている。

 

「張るタイプなら、待たなくていいんですよ。

張るのも簡単。このように、ほら、自分の爪で切れます。マニュキュアのシートが小さかったら、伸ばしてください。形も自在に伸びるので、失敗もありません。」

 

nは感心した。

 

「妹さんも是非。やってみませんか?」

 

シルバーなんとか、という名前の

キラキラのやつを中指の爪に貼ってもらった。

 

「テンション上がりますよねー。」と店員さん。

 

確かに。ちょっと上がってきた。

 

結婚式にはお呼ばれしていないけれど、爪がキラキラだと

心もキラキラな感じに・・・

 

ついでに

生活もキラキラな感じに・・・なりそうな気がしてくる。

 

 

その日の晩。

長女の髪を洗っていたら、キラキラマニュキュアが

ごっそりと剥げた。

 

テンションは下がった。

 

爪も、心も、生活も、キラキラには

なれなかった…。

上がって下がる1/2

先月、義姉が帰国した。

仕事でポリネシア海域を船で周っていた。

 

帰国お祝いランチをした。

姉はお土産をくれた。

 

ぞうさんペーパー。ぞうのうんちで作った紙。

ぞうが地上から消えない限り、永遠に継続可能なリサイクルである。

 

姉は世界で各地で起こっている環境問題や社会問題に、関心が高い。

 

新聞や雑誌の投書欄に、投稿してたりする。

 

旦那さんと付き合っていたころ、旦那のお姉さんを

新聞の投書欄で見つけたときは驚いた。

 

 世の中を少しでもよくしようと考えている、革命魂を持った人であった。

 

今までnにプレゼントしてくれた品も、

常に問題意識を提示するチョイスであった。

 

 

なんか可愛いもの、なんか便利そうなもの、といった

ふわっとした理由でプレゼントを選ぶnとは、対照的である。 

 

吸血スナイパーと山の熊さん

今月の頭に旦那さんの実家に帰省した際、なだらかな山を散歩しました。

 

5年前の夏休みにも行った場所です。

 前にも見た、入り口にある看板は

相変わらず恐ろしげな文句で、来客を脅していました。

 

「最近、この付近で熊の目撃が相次いでいます。」

「山ヒルに注意。血を吸われたら、塩水かアルコールで消毒してください。」

 

前回も今回も

熊には遭遇しませんでしたが、

今回は道々

動物園のにおい(たぶん獣…)がしました。

 

前回はだれも山ヒルの被害には遭いませんでしたが

今回はお義父さんと、旦那さんと、nがやられました。

 

帰宅して靴を脱いだ時、「あれっ?足首から血が出てるよ。」

と子どもたちから指摘されて、分かった次第です。

 

軽装ではあるものの、長袖長ズボンで山に入りましたが

子どもたちが吸われなくて本当に良かったと思いました。

 

もし

蚊が近づいてきたら、虫が止まっているという皮膚感覚で気づきます。

蜂が近づいてきたら、刺される前に、まず羽音で気づきます。

 

しかし山ヒル

忍び寄ってくる気配にも、血を吸われている間も、

そして立ち去っていく瞬間も、

 

三人とも全く気付きませんでした。山の吸血スナイパーのようです。

 

吸われた血の跡は、三週間経った今も

まだ残っています。

 

 

その山は、もう歩かないことに決めました。

 

ヒルなら、血の跡が残るだけですが

野生の熊は・・・命が残りませんので。

本屋さんとの約束3/3

そのお店にnの探している本は無かった。

 何も買わずに出るのが済まない気がして、テキストを買った。

 

「このテキスト売れないから、発注を止めようと思ってたけれど中止しますね。」

「はぁ…。」

 


この本屋さんでは
見知らぬ客でも、一見さんとはみなされないらしい。

 

そうだろう。

奥まった住宅街に店を構えているならば、買いに来る人も

大半は地元の人であろう。

 

地元人のnは

最近までその存在を知らなかったけれど。

 

 

「じゃあ…次回もこちらに買いに来ます。」

 

来月号のテキストも、そこで買うことを
約束していた。

 

 

商売上手なおばあちゃん、細々としかし着実に

お客さんを掴んでいるようだった。

本屋さんとの約束2/3

つい先日、その本屋さんに寄る用事があった。

子どもの習い事の送り迎えで通る道の途中にあるので

nにとっては、なにかと便利な位置にある。

 

住宅街にひっそりと佇むそのお店は、

 古本屋のような名前で、店構えも古本屋のようである。

 

 

店に入ると

高齢のおばあちゃんが一人、椅子に座ってレジ後ろのTVを見ていた。

その足元には、秋田犬のような犬が丸まっていた。

段ボールの中で、目をつぶっている。微動だにしない。

 

 

お客さんは、n以外いなかった。

 

ひょっとしたら数時間前から、数日前から、数週間前からも

いないのかも知れない…。

 

まったりした雰囲気が漂っていた。

 

このお店だけ、時間の流れるスピードが外の世界とは違う。

 

 

 

今は亡きご主人のお店を継ぎ、たったお一人で切り盛りしているのかな、

とnは想像した。

本屋さんとの約束1/3

近所に細々と営業されている本屋がある。

 

ある時、長女の授業で白地図が必要になった。

翌日に地名の試験があるという。

 

ということは

その日中に買い求めないと、間に合わない。

 

「もっと早く言ってよ!買う時間が無いのも、分かってるよね?」とnは

長女を叱りつけながら、地元の本屋という本屋を検索した。

 

会社帰り日も暮れかけた時刻に、唯一開いていたのが、

その本屋さんであった。

取り戻さない忘れ物2/2

無くしちゃったから、新しいパンツ買いましょうかね?

 

と聞いてみた。

 

「いや、自分で買うからいい。」とまたピシャリ。

 

買う時間なんて無いのに、どうするのだろうか。

 

旦那さんは

昔nからプレゼントされたパンツを活用するようだ。 

 

人からもらった下着は(あんまりプレゼントされないか…)

悲しいかな、男女ともに体にフィットしないことがよくある。

そして使うことなく忘れ去られる。

 

nが贈ったパンツも

ご多分に漏れず、新品のままタンスに眠っていた。

 

デザインの問題なのか、

サイズの問題なのか、好みその他全体の問題なのか、

それら全てが問題なのか。。。

 

しかし

ここにきて活用しようとしているので、好みの問題ではなさそうです。

 

旦那さん曰はく「勝負パンツとしてとっておいた。」とのこと。

プレゼントして実に12年が経っていますが。

 

経年変化による、ウエスト周りのサイズが心配です…。