一寸先は闇3/4
追って連絡を受けてから
速やかに子ども達を着替えさせ、家族で先生のご自宅へと向かった。
旦那さんの運転する車に夜乗ると、子どもたちは、はしゃぐのが常であるが、
この日は三人とも言葉少なであった。
黒っぽい洋服を着た家族が、ぞくぞくと先生のご自宅へと集まった。
まるで眠っているかのような先生の姿を見て、
長男も次男も、状況が理解できないようだった。
「先生は、もう起きないの?」
「昨日の稽古で会ったばかりだよ。とっても元気だったのに、なんで?」
私たちも、まだ理解できません…気持ちの整理がつきません…。
あの時、お嬢さんの意向を無視していち早く警察に知らせていれば、
先生の命は助かったかも知れない…。
あの時、ご家族の判断に従って果たして良かったのだろうか…。
今はただ、先生のご冥福を心よりお祈りするばかりです。