なぞめいた電話から始まる
昼にスマホが鳴った。
平日の昼休みに電話がかかってくるなんて、あまりない。
「はい。もしもし?」
「あっ…あぁ…」
相手は戸惑っていた。少しばかり間があく。
「もしかして、かける相手を間違えましたか?」
「あ…あぁ…そうです…。」
相手は何か話したそうにしていたものの、
敢えて話すこともないと思ったのか、うろたえながら電話を切った。
いったい
どのようなシチュエーションで、
どのような間柄の人物同士で、
かけた側はどのような意図でかけるつもりで、
本当なら誰にかけるつもりだったのか
受けた側は、そのとき何をしていたのか
明かされていないと
読み手は、想像や妄想を膨らませるわけですが。
…
実際は-
nが自宅でお昼をもぐもぐ食べていた時に、
旦那さんが間違ってnに電話をかけてきた だけのことです。
味気ない設定の連続体、それが日常。