児童書は古本屋で
読書好きにな長女に、本を数冊買うことにした。
家にある本は、夏休みにほとんど読破してしまったらしい。
子どもたちを連れ、
いさみにいさんでデパート内にある大型書店へ行った。
少子化のこの時代、児童書コーナーは当然のように縮小気味で
かつ、ラインナップはあっけなかった。
TVで話題の乗っかり本?が平積みになっていた。
子どもたちはすぐさま食いついた。
狭い売り場面積で、ただでさえ売れない子供向けの書籍の収益を
効率的に上げるには
最も売れそうな、流行りの本を置くのが店側としての常套手段であろう。
そう
すぐ人の目につき、ぱっと売れそうな本しか置いてないのであった。
翌週。
nは一人、地元の古本屋さんへ出向いた。
昔から読み継がれてきた絵本や児童小説が、そこには置いてあった。
始めからこちらへ行けばよかった。読みが甘い。
nが子どもの頃に、すでにクラシックとされていた絵本や児童書を
何冊も見つけた。
ちらちらと時間を見ながら、立ち読みに耽る。
懐かしい。
この絵本は、妹がクレヨンでページを汚してしまったっけ。
この本は、近所の〇〇ちゃんが引っ越す時にくれたやつ。
この本は、よく通った歯医者にあった。このページが破けていたなぁ。
肝心のあらすじはほぼ忘れていたけれど、その本にまつわる周辺事項が
鮮やかに蘇った。
…
本来の目的を思い出す。
懐かしのタイムスリップから戻り、買う本を選んだ。
「これは読んでおいてほしい。」「あれも読んでほしい。」
「これも外せない一冊。」とまあ、欲張ってしまったので
帰り道
買物袋のひもの縫い目が、ちぎれそうになった。
子供と同じ年齢だった頃に、自分(親)が慣れ親しんだ本に
再び会いたければ、ぜひ古本屋へ行ってみよう。
自分が子供だった時代の一ページを、また読み返すことができます。