チョコレートファウンテン3/4
人々の共通理解として
女性は、甘いものが好きだろう、という概念がある。
その共通理解から外れている人が、こういったシーンで自分の好みを貫き通す
(私は甘いものが苦手なのでけっこうです、と断る)と、誰かの親切心を
台無しにしてしまうことになる。
私も甘いものには目がない女性なので、喜んでいただきます!という体で
頂くことにした。
「じ、じゃあ…せっかくなので…。」
戸惑いながら竹ひごに刺さったスイーツを選んでいると、謎の併設空間から
店内に女の子が飛び込んできた。
外からは会議室のように見えた空間は、
実は、このパン屋さんと中でつながるイートインスペースだったことを
この時知った。
「ママ!このチョコのながれてるやつ、わたしもやりたい!」
一つしかないミニドーナツは、この女の子に残しておくことにして、
nは、沢山ある星形マシュマロの竹ひごを選んだ。