おふざけの力1/2
寝る前に次男が泣いている。
怯え泣きであった。
何かあったのだろうか、理由を尋ねる。
「昨日こわいゆめを見た。またこわいゆめを見る。だから眠るのがこわい…」と。
なるほど。
ぎゅっと抱きしめながらトントンした。
怖い気持ちよ、立ち去るがよい!命令口調で、次男の怖いきもち を
追い払った。
次男、泣き続けていた。
ママがいればもうこわいゆめは見ないから大丈夫だよ、とやさしく言葉をかけた。
次男、やっぱり泣き続ける。
こわいゆめがやってきたら、ママがやっつけてやる!と息巻く。
次男、無視して泣き続ける。
「息巻いてるママが、怖いんじゃないの?」
長女が尤もなことを言う。
なだめすかしのネタがもう尽きてしまった。
おまけに片腕も痺れてきた。
規則的にトントンしていた手も、間延びしてきた。