寝袋電車1/2
nは、地下鉄沿線に住んでいる。
朝方の夢である。
友人達と電車に乗っているn。
自宅に帰る設定らしい。
今乗っている電車は、
nの住む最寄り駅は通らない。が、近所を走る電車であった。
適当な駅で降りれば、歩いて帰れるだろう。
すると車内アナウンスが―
○○線にお乗り換えの方は、こちらの駅でお降り下さい。
○○線は、nの最寄り駅を通る路線であった。
「じゃあ私、ここで降りるね。」
友人達と別れ、一人下車する。
乗り換え駅は、ケーブルカーが止まるような駅だった。
ホームが傾斜し、勾配はかなり急である。
「乗り換え口はどこだろう?」
経路の案内図は見当たらない。
ひとまずは、急な階段を下りていった。
周りを見ると
乗り換える人がたくさんいた。
「この人達についていけば乗り口が分かるな。」
でもなぜだか皆さん、走っている。
「そうか、乗り換えの時間が短いんだ。」
nも走った。階段から続く道路を
ハイペースで走る。
現実では、ほどなくして
左みぞおち辺りが痛くなるのに夢の中では全然痛くない。
おまけに両膝も痛まない。
そして俊足であった。
他のランナーを、すいすいと追い抜いていく。
歩いていたり、転んでいる人もいた。立ち止まって、水を飲んでいる人もいる。
これはゼッケンの無いマラソン大会なのか…。
本当のマラソン大会では、27番 なんていう
さえない順位なのに
夢の中では、上位に食い込んでいる。
道路はいつの間にか、森に通じていた。
緑の深い深い森…。
映画で見たような…遠くに見えるのは、くすの木だろうか。
そして、このもやは何だろう。
朝なのだろうか。
さっきまでは昼だったけど。。。
この森の先に
地下鉄の乗り換え口なんてあるのかな?
先頭の数人が、くすの木の下で止まった。
下へと降りていく。
「あそこが地下鉄の入り口か。」
レトロ調な看板が見えてきた。nの住む町の駅名が書いてある。
”○○駅①”
「こんなところに、こっそり第二の駅があったんだ。」
nも地下へと駈けていった。