neillot’s diary

サラリーマンで三児の母の、はちゃめちゃ感あふれる日常

寝袋電車2/2

昨日からの続きです。
neillot.hatenablog.com


ホームに着いた。薄暗い。
全体的に古ぼけている。


乗るつもりだった電車は
今扉が閉まったところで、まさに発車せんとしていた。

廃線を走っているような、おんぼろ電車である。
二両編成を見送った。


乗らなくて良かったかも知れない、と思う。


間髪をおかず次の電車がやってきた。

薄暗いホームに
ひときわヘッドライトが眩しい。


さっきの二両編成と同じく古ぼけていたが、
やたらと長い。


これなら全員乗れそう


と思ったら、電車はなんと寝袋だった。

しかも、寝袋の中には砂がぎっしり…。


「こんなサンドバッグに、どうやって乗れと…」

nがまごまごしていると
後から到着した人たちも、ざわつき始めた。


一着でゴールした男性は、どこからか掃除機を持ってきた。

「これで砂を、ぜんぶ吸い込んでやる!」
ひじょうに意気込んでいる。


そんなことをしたら目詰まりしてしまいます!
あとのお手入れを心配するn。


二着の女性は、寝袋を開けて
その中に無理やり入ろうとしていた。

「何なのよ、こんな電車!
バックの中に入ればいいのよね!見てなさい!」
勇ましいことを言う。


砂がさらさらとこぼれる。
駅員さんが二人、慌てて制止していた。

「砂が流れ出てしまいますので!」

力んで乗り込もうとする女性は、駅員さん二人と
もみ合っていた。


三着のn(この大会で、三位だったようだ)は、
腕組をして考えていた。


「このサンドバックのような寝袋電車は、中に入るんじゃない。

またがるんじゃないか?」


イベント開場のミニSLに乗る要領で
寝袋にまたがろうとした。


よっこいしょ…っと。



目が覚めた。



続編、宜しくお願いします。