親切な情報共有の先に1/3
旦那さんの帰宅時間は、遅い。
ある日の夜、会社そばのコンビニへ
近道である細い裏道を通って行こうとしたら、
塾帰りであろう女子中学生が一人、前を歩いていたそうな。
後ろからついてくる旦那さんの靴音に気づくと、彼女は
猛烈ダッシュで走り去った。
「不審者と思ったんだね、俺のこと。
顔を見て走り去られた訳じゃないけど、まぁこういうご時世だから当然か。」
裏道や細い道は、たとえ明るくても通らないように、
と nは普段から子供たちに言っている。
塾帰りの女子中学生の親御さんも、同じような注意をしていたと思う。
なぜならば
ほぼ毎日、役所から緊急メールとして、
〝きょうの不審者情報〟が配信されるからだ。
ことわざ「人を見たら泥棒と思え」の精神をじわじわと刷り込んでくるのであった。