neillot’s diary

サラリーマンで三児の母の、はちゃめちゃ感あふれる日常

10月

第一週
お月見である。

お団子を作った。
あんこと和える。味見をする。美味しい!


自画自賛しすぎて、食後胃が少々もたれた。


翌日の会社で。
「nちゃん。見た?雲の間から見えたお月様、きれいだったね~。」
と先輩。


お月様を眺めることはおろか、チラ見さえしなかった。
ただ、自作団子を食べて終わった。


「昨晩はどうやら
nの上空だけ、ひたすら曇り空だったみたいです。」


すっとぼけて、切り抜ける。



第二週
地域の地区運動会に出た。
高熱で小学校の運動会に参加できなかった長女は、
ここでリベンジを果たす。


パン食い競争、行こう!
長女、みんなの前で口を開けるのが恥ずかしい、という。

綱引き・小学生の部は?
口は開かない。むしろ閉じるよ、踏ん張るからね。

「う、うん…。じゃあ出るよ。」


なぜか違う町内のハチマキを締めて出場し、二回戦とも勝った。

「二回とも勝ったね~!」
「ああ…。」
「頑張ったね。景品ももらえたね!」
「ああ…。」

さっきから長女は、「ああ」の二文字しか発してない。


運動会のリベンジを果たしたかったのは
本人ではなく、その母親、であったらしい。



第三週
長男次男の保育園で運動会があった。

雨だったので、近所の小学校の体育館を借りて催された。


義理父と義理母M子さんが朝早くから見に来てくれた。
美しい重箱に入った、美味しいお弁当を携えて。


予め席を確保して、後から来た義理両親に
「お母様~お父様~ここですよ~」とにこやかに手を振り、

ふかふか座布団と膝掛けを用意した座席へ
スムーズにご案内する、

が嫁として理想の姿だったのに・・・。


実際は、自分たちの座る席さえ確保できなかった。

朝のお弁当作りで、時間が押したのである。


前日夜に、おかずは全て作った。

しかし、旦那さんが
夜中にこっそり食べていたのである。

想定外の、大人被害によるタイムロス!


義理両親は
私たちから遠く離れた、入り口付近の立ち見席で見ました…。



食べる人は
作る人の都合は、念頭にない。



第四週
長男の芋ほり遠足があった。

全部お弁当を食べてくれるかな、という期待を
長男には抱いてしまう。

偏食だからだ。

「お弁当、残さなかったよ。ぜんぶ美味しかった。」


栄養と彩りも考え、緑のお野菜も入れた。
それなのに残さず食べた。


母、泣く…。


状況確認しよう。

遠足では、沢山歩いた。
力を込めて、お芋を引っこ抜いた。
お弁当を食べる公園まで、お芋を背負って歩いた。


nの愛情弁当。
空腹時に、それしか食べる物がなかったら・・・。

すけすけつるつるじゃなく、もこもこを

ここ数週間、ハロウィンパーティーで着る
黒マントを探していた。


買いにいく手間も時間も見いだせないためネットで検索していたが
目ぼしいものが見つからないまま、月末を迎えた。


先週末、近所の路上に
ハロウィングッズを売る店が出ていた。


ここに、探しているマントがあるかも知れない。



「どうぞお手にとってご覧くださいね~。」

背後から優しい声がした。


ピンクのかつら(もしかしたら地毛?)、
水色のカラーコンタクト、ゴスロリ風のアクセサリー。

声の主は、店員さんだった。


かわいらしい声と相まって
ハロウィンの変装、というより いつものコスプレ
といった雰囲気を醸し出している。


長すぎない黒のマントを探している
と伝えた。


「女性用でお探しですか?でしたら、こちらの方になります。」

「レース地のマントもかわいいんですけど、寒いんですよね。」


10月末に
すけすけのレース地は、たしかに寒い。
つるつるのサテン地も、やっぱり冷たい。


「マントじゃないですが、こちらのケープは羽織ると温かいんですよ。」


もこもこである。
丸いぼんぼんも付いていて、ラブリー。


「こちらのケープは、このバニーちゃんのドレスとお揃いなんですよ。
いかがですか?ご覧になりますか?」


バニーちゃんドレスを手に取り、笑顔で薦めている店員さん…。


薦めるお客さんを、絶対に間違っとる…。
仮装でも、趣味でも、仕事でも、バニーちゃんドレスは
n…恐らく着まい。


丁重にお断りして、
もこもこの黒ケープだけを買った。



長女はそのケープを羽織って
ハロウィンパーティーに出掛けるのを
楽しみに待っている。

ポリマーの嵐にみる対応の変化

今から9年前。

長女が保育園の0歳クラスにいた時は、かなりの高確率で

ポリマーの嵐に見舞われていました。

 

園から汚れ服とオムツがワンセットになって返ってくるので、

一緒にぽいっと、洗濯槽へ入れてしまうことが多々ありました。

 

「やってしまった・・・。」 

 

当時は

「娘が着るお洋服だから、きれいにしておかないと。カブれたりしたら大変。」

 

自分の時間と労力をちっとも惜しまず、 丁寧に洗い直しをしていました。 

 

 

そして現在。

 

「やってしまった・・・。」(ここまでは9年前と同じ。)

 

 

「多少ポリマーが服に付いてたって、死にやしない。」

 

おもむろにベランダへ行き、ボロボロとポリマーを落として

ハイ、ポリマーの事後処理、おわり~。

 

「また次に洗濯すれば、きれいになるから問題なし。」

 

 荒れ狂うポリマーにも、耐性ができました。

 

 

我流のポリマー事後処理方法…疑問も、問題もありすぎです。 

 

9年の間に

私は何を失ったのか…。

ポリマーの嵐

上記タイトルで「もしかして、アレのことかな?」

と想像できる方は、嵐のご経験者でしょう。

 

あの悲壮感…やっちまった感…どうしよ感。

 

「ポリマーとは、モノマーが複数くり返された重合体であって、その構造は…」とかいう専門的な話ではなくて、

 

なんのことはない

高吸収性ポリマーの紙おむつ、にまつわるお話です。

 

 

末っ子の次男、夜はまだオムツをしています。

 

先日、久しぶりに”ポリマーの嵐”をやってしまいました。

 ー使用済みの紙おむつを、うっかり洗濯機の中に入れて洗濯をする、という失敗を。

 

流水でもみくちゃになった、細かいゼリー状の高吸収性ポリマーが

洗濯槽と全衣類にくまなく付着する、という失敗を。

 

紙おむつの使用のないご家庭でも、

誤ってティッシュペーパーを衣類と一緒に洗ってしまった時のことを思い浮かべると、

この嵐が想像しやすいかと思います。

あの手間の100倍は厄介な失敗でございます。 

 

 

水を含んだポリマーが凶暴に荒れ狂うさま を形容して、

”ポリマーの嵐”

とnは一人呼んでいましたが

育児界では一般的に「ポリマー地獄」と称されるそうです。

 

 

呼称はさておき、n以外にも日本全国、津々浦々うっかりさんが

大勢いらっしゃるということか!

 

 「そっか♪ みなさんもしでかしているんだ。」

へんな所で、へんな安堵を覚えるn。

 

 

再発防止に努めた方が、よっぽど有効であろうに?

時差、三週間 3/3

お茶目で愉快なマスターのいる居酒屋は、他の飲食店と同様

夕方からの営業である。

 

昼間。

店先の暖簾と赤ちょうちんは、店の中へしまわれている。

阪神タイガースの旗も、細かい白砂が入った琉球ガラスの瓶も、店内だ。

外からのぞくと、店内はひっそりと薄暗い。

 

 

マスターの奥様とお子さん達が家を出て行った話を

旦那さんから聞いて数日後、会社を休んだ日があった。

 

長女の個人面談があったためである。

時間まで、地元で雑事を片付ける。

まずはママチャリで、食材の買い出しに行こう。

 

「少し遠いスーパーを開拓してみるかな。」

 

いつもと違うスーパーへ向かった。

途中、例のマスターのいる居酒屋の前を、偶然通った。

 

 

シャッターが下りていた、

ような気がした。

 

 

帰り道。

お店の前を通って、再度確認する。

 

やっぱりシャッターが下りていた。

 

「開店前って、シャッター下りてたっけな?」

 

 

また別の日の週末。

子ども達を公園へ連れていった。

 

その居酒屋の前を通った先にある公園へ、わざと繰り出す。

 

シャッターは下りたままだった。

 

 

つねに下ろされたシャッターに

マスターのその後の人生が暗示されているようでならない。

時差、三週間 2/3

旦那さんはその晩、

お茶目なマスターのいる居酒屋さんに

十数年ぶりにふらっと立ち寄った。

 

久しぶりすぎてもマスターはちゃんと、いちお客さん

を覚えていてくれたという。

 

飲んでいても、プロフェッショナルである。

 

飲みながら、マスターには珍しく

淡々と、さめざめと、

 

“奥さんと子ども達が、家を出て行った話”をしたのだそう。

 

奥様は着々と別居の準備を進めていたそうな。

身辺を整理されてからの計画的な行動であった。

中学生と高校生のお子さん達も一緒である。

中高生なら、もう立派に自分の意見を持ち、自分で考えて行動できる歳だ。

 

父親に見切りをつけ、

保護者として母親を選択した、ということになる。

 

ここまでは

悲しいけれど、時々耳にするお話。

 

しかし

話の続きは、あまり耳にしたことがない。

 

 「わたし、奥様と子ども達が出て行ったことに気付かなかったのよ。」

 

特にいつもと変わらない日常であったという。

 

奥様達が出て行かれてしばらく経った頃

ふと「最近、家の人たちを見ないな。」と思ったらしい。

 

すでに三週間が過ぎていた。

 

 

旦那さんは絶句した。

「三週間以上って…!そんなこと、あるのか?!」

 

 驚きを隠せない表情でnに語った。

 

「マスターは家に、ほとんど居なかったんだろう。だから重大なことに、気付けなかったんだ。」

「三週間いなくても普段と変わらないなら、もしや一生いなくても平気なんじゃないか。」

 

旦那さんには珍しく

思い込みの想像を巡らし、乱暴過ぎる結論付けをしていた。

 

 

仕事人としては、まことにお茶目で愉快なマスターでも

家庭人としては、まことに駄目で不愉快な夫&父だったのかも知れません。

時差、三週間 1/3

近所に沖縄の地酒、泡盛を出す居酒屋があった。

 

まだnがお酒を飲めて、

自由な時間がたくさんあった時代に旦那さんと

数回ほど行ったことがある。

 

 

その店のマスターは、

沖縄の三味線、さんしんがとても上手かった。

 

初めてその店に行った日

n夫婦が結婚式を挙げたばかりだと知ったマスターは、さんしん片手に

沖縄の方言を交えて

即興の歌をプレゼントしてくれた。

 

ご出身は沖縄ですか?

 

と聞くと、

どこからともなく阪神タイガースの大旗を持ち出してきて、

六甲おろしを熱唱し始めた。

 

大阪ですか?と尋ねたら、

 

「わたし、北のほう。青森よ。」と

わざとコテコテの東北訛りで答える。

 

お茶目なマスターであった。

 

 

そんな彼のもとに集うお客さんは、おもに 

 

沖縄好きの人、

阪神タイガースファンの人、

近所の単に飲んべえな人、

 

の三タイプで、この三者にあまり共通項は見当たらない。

 

しかしなぜか

個別飲みが存在しない店だった。

 

マスターの指揮の下、

「さ~ぁ、みなさんご一緒に!」という

 

まこと団結力のある居酒屋であった。