ラブレター 甘さの中に辛さを求める1/2
nの両親が、結婚40周年を迎えた。
お祝いに妹とnは、似顔絵をプレゼントした。
(プロのイラストレーターに描いてもらいました。)
盛り上がる父母。
たいそう喜んでくれた。
盛り上がった勢いで
父は何を思ったか筆をとり、母に手紙を書いたそうな。
それも、ラブレター。
人生初らしい。
母がそのラブレターをn家に持ってきた。
「これ、読んでみて。」
「え、読んでいいの?」
「いいから、いいから!」
こんなところで回し読みされるなんて…。
会社を終えた平日の夜
家事と、雑事と、子ども達のお世話を同時進行で
せかせか進めながら、
じっくり読んだ。
あふれる感謝と愛?が、したためられていた。
「どう?」と母。
声にウキウキした気配がない。
「どうって…嬉しいよね?手紙を貰うのって。」
「悲しくはないけど、何かが足りないのよ。」
どことなく、不満げである。
「じゃあ何が足りないと?」
「なんかこうピリッとした何か、がね。」
ラブレターにピリッとした辛さ って
必要なのですか?