のし袋と昔話5/5
「〇〇ちゃん!(オウムの名前)」
ご婦人はオウムに駆け寄り、しかと抱きしめた。
「本当にありがとうございます!
見つけて下さらなかったら、カラスに殺らやられていたところでした。
主人にもさっそく電話します。」
ご婦人はオウムを抱っこして、何度も何度もおじぎをしいしい
帰っていったそうな。
その日の午後
ご婦人は、お礼金に立派な和菓子を添えて
また会社に来られたそうだ。
そういう経緯で頂いた、のし袋であった。
「たぶん我が子のようにオウムをかわいがっていたんだろうね。」
と旦那さん。
父親の顔であった。
「それはいいことをしましたね。」
とn。
うなづきながら微笑む自分は、
はなさかじいさん、傘地蔵のおじいさん、の話を正座して聞いている
おばあさんのようである。
めでたし、めでたし、と美しくまとまったところで
長女が一言。
「で、そのもらった和菓子はどこにあるの?」
「あぁ会社の人に配ったよ。」
「あ~食べたかったなぁ!残念!」
ここに、欲張りばあさんがっ!!