ラブレター、上司、そして深夜…
出社だった日の、とある朝。
打合せスペース付設のミニキッチンで、コーヒーをいれていた上司が
話しかけてきた。
「昨日の夜、会社のブログを始めようと思い立ったんだよ!」
心に決めたいきさつを、熱っぽく語り始める。
「それじゃあ昨晩は、決意の夜 だったんですね。」
「そう。決意みなぎっちゃって、昨日はなかなか寝付けなかったよ〜はっはっは。」
いれたてのコーヒーの香りが、窓から差し込む朝日と混じる。
ちょっと前までは
いつもの朝の、いつものオフィス風景だったなぁ。
朝、何気なく立ち話をするなんで、ほんとうに久しぶりだな。
…
数日後。また別の出社日の朝、
ミニキッチン前でコーヒーをいれる上司にnはたずねた。
「会社ブログ立ち上げの話は、その後どうでしょうか…。」
「それなんだけどね。揺らいできちゃったのよ、決意が…。」
思考や判断にも
深夜のラブレター現象は、起こり得る。
夜に固めた決意は、揺らぎやすいものと知る。