3月
第一週
長女は今年で13歳
家庭で祝うひな祭りが、フェードアウトし始める年齢に差し掛かってきた。
初節句から連綿と続けてきた女の子のお祝いも、
娘さんが中学生になった頃を境に、徐々に終了していくご家庭も多いと聞く。
n家もそうなる気配が濃厚であった。
子ども達、特に長女があまり興味を示さなくなってきた。
そんな長女に、今年は喝をいれるため(?)
人気店にてお雛ケーキを買った。夕飯メニューは、子ども達の好きなものを作り
ひな祭りを盛り上げた。
(ちらし寿司は見向きもしないので)炊き込みご飯と、
(ハマグリのお吸い物は誰一人食べないので)キャベツたっぷりの卵スープと、
西京漬けのお魚と、サラダと、
筑前煮らしき名もなき煮物と、果物は、いちご。
…
「ママ。これ、今日の昼に食べたのと同じだよ。」と子どもたち。
給食メニューと丸カブり…どうして、どうして…?!
たんに
3月3日の給食献立表を、確認しなかったからに他ならない。
喝を入れられるべきは、自分の方だった。
第二週
長女は今春、小学校を卒業する。このほど
卒対委員の方たちが作った、卒業DVDのスライド上映会があった。
nはスライドのナレーションをやった。
泣かずにできた。
つっかからずにできた。
読み間違えることも、読み飛ばすこともなくできた。
入りのタイミングも、読むスピードもちょうど良くできた。
何より変な緊張がなく、できた。
自分の中では、パーフェクトだった。
持てる力を、全て出し切れたとおもう。
仕事でなくても、いい仕事ができると
気持ちいい。
第三週
長男が下校中に足を怪我した。
なんでも踏み出した足を、電柱にぶつけたらしい。
どういう状況?
「目をこすってて、前が見えなかったの。」
え、どういう状況なの??
「で、歩き出そうとしたら、電柱に足の甲がぶつかったの。」
は、どういう状況で??
「壁づたいに歩いてたんだよ。」
いったい、どういう状況なんですか!?
…
男児。
怪我の経緯は、意味不明。
状況の説明もまた、意味不明。
第四週
買ったばかりの眼鏡を持って、長女の卒業式に参列した。
式の途中
うるうるする場面はあったけれど、
涙と鼻水が溢れ出で
視界が見えなくなることは無かった。
それなのに。
新しい眼鏡をかけて臨んだ式なのに、
前方がよく見えなかった。
遠くに並ぶ長女の晴れ姿も、曇ってぼやけていた。
とにかく苦しかった。
出来るだけ息をしないように、呼吸を止めていた。
なぜならば…
曇り止め液を眼鏡に塗るのを、忘れてたー!
このご時世、マスクon眼鏡になることを、すっかり忘れてたーー!