甚だしき加害妄想2/2
長女の泣きが収束してきた頃、すかさず理由を聞いた。
長女は入浴前に、小さかった頃のアルバム写真を見ていたらしい。
アルバムを棚に戻す時に手が滑って
ばぁば(nの母)の足の甲に、角を下にして落としてしまったそうな。
ドサッ!
「あいたたた〜!」
痛がるばぁばに、
大変なことをしてしまった…と長女は焦った。
「深刻な場合でも〝大丈夫〟とか言うじゃん、心配させたくなくて。
ばぁば、足の骨が折れたと思う!年寄りだから折れたと思う!」
え?
ばぁばはお年寄りだけれど
低い位置からアクリル製のアルバムを落としたくらいで、骨は折れません。
せいぜい翌日にあざが出来るくらい。
nの母は、整形外科の先生をして
「頑丈な骨ですね」と言わしめたことが自慢であった。
定期的に運動もしている。
骨は折れていないと思われる。
その証拠に
足をさすりながら、スタスタ歩いていた。
長女の激しい思い込みを払拭すべく、動かぬ事実を積み上げて
長女を説得した。
それでも長女は心配だったらしい。
お風呂から出た後、ばぁばに電話をしていた。
安否確認である。
そこで「大丈夫だよ。」の声を聞き、やっと安心し納得した。
…
まったく
加害妄想?も甚だしい。