罪なオトコの乙女さん1/2
みんなが頼りにしていた同僚が、このほど退職した。
男性ですが、アイテムの好みがわりと乙女系なので、nは心の中で
「乙女さん」と呼んでいる。
最終日には
退職祝いの品、砂時計と苔玉、それからとみんなからの寄せ書きを
プレゼントした。
幹事は、隣の席の同僚(はんなりさん)と、n。
苔玉(植物)は、ネットでの注文がやや心配だったので、お店で直接買うことにした。
週末、はんなりさんとnは、それぞれ苔玉探しに奔走した。
店員さんのお陰で、二人とも苔玉の育て方の知識が
かなり深まった。
その深まった知識を、退職最終日の乙女さんに
一気に伝授した。
n「このタイプの苔玉は、一日に5分、蓋を開けて空気に触れさせてください。」
はんなりさん「水やりよくの霧吹きは、あげすぎてはいけませんよ。」
n「瓶の底に水が溜まってしまったら、捨ててくださいね。」
はんなりさん「トリミングも忘れずに。ピンセット、お家にありますかね?」
n「2年後には、もう少し大きな瓶に移し変えて下さいね。」
はんなりさん「追肥も必要ですね。」
次々に言われて
乙女さんは、消化不良だったに違いない。
はんなりさん「ここに育て方の冊子がありますので、大事にとっておいてください。」
n「これが冊子を入れる袋ですから。」
はんなりさんもnも、多弁なタイプではない。
喋ることで
こらえたかったのである…
鼻の奥がツンとしてくる涙の悲しみを。。。