卒業遠足 3年後に気づいたこと2/2
横で聞いていた長女は、
”行った人だけが分かる質問”をしていた。
長女「お魚のトンネル、なかった?下からお魚が見える所。」
長男「あぁ、通った通った!たくさん泳いでたよ、エイとか。」
長女「イルカショー、水に濡れた?」
長男「ううん、濡れなかったよ。」
長女「ねぇねの時は、ざっばーん!って水がかかったんだよ。一番前で見たから。シートかぶって見たんだ。」
長男「ぼくたちは、一番前の席じゃなかった。」
長女「ねぇねの時は特別席だったんだよ。他に子供がいなかったから。」
長女「誰せんせいのグループだった?」
長男「園長せんせいのグループだったよ。」
長女「ねぇねも!」
長女「チンアナゴ、いたでしょ?」
長男「いたよ。地面からひょい、って出てる細長いやつだよね。」
長女「水族館の入り口で集合写真、撮った?」
長男「撮ったよ。みんなでピースした。」
長男より三歳年上の長女。
三年前、長女も同じ水族館へ卒業遠足に行っていた。
三年も前のことを、事細かに覚えている。
当時の私は
長女の新鮮な発見や興奮に、ちゃんと耳を傾けていただろうか…。