受験生気分で3/3
先輩は、以下のような経緯で
nがピアノ問題を抱えていることを知った。
先輩は、
同僚達とランチに行っていた。帰って来るなり、詫びる。
「nちゃんに声かけなくてごめんね。
自然発生的に外ランチの話が出て。次回行こ。」
後輩への気遣いを
いつも忘れない先輩である。
その日は、昼休みを
食事のみに費やせない事情がありましたて・・・と答える。
「ネットで楽譜を探していました。」
「楽譜って、何か演奏するの?」
「はい。長男の謝恩会で、ピアノの伴奏をやることになって…。」
「nちゃん家にピアノはあるの?」
「ないんですよね。」
「じゃあ、どこで練習するか?だよね…。
家だと練習する時間なんて無いでしょう?」
「はい…なので会社の昼休みに少しずつやろうかと。
キーボードをレンタルしようかどうか迷ってて…。」
「え、ちょっと待って!
キーボードで良ければ、うちの実家にあるよ!使ってないから明日、会社に持ってくるよ!」
キーボードは、長くて、重い。
そんなかさばる大荷物を、
nのために
わざわざ会社まで持ってきてくれるなんて。。。
貸してくださる先輩のためにも、伴奏の練習は
力んで励まなければならない。
会社で、”親友”と呼べる友が持てる喜びを
全身で噛みしめり。