スパイ返しは、豚さんを真似て
nはトイレに入っていた。
ガチャ!
トイレの扉が急に開く。
「ねえ。ママって、本当はスパイなの?」
色々な意味で
スリリングな展開である。
後にも先にも
諜報活動したことなど、ない(笑)。
なんと答えようか。。。
パターン1:
「えっスパイ?!ママはスパイじゃないよ。Rくんのママだよ。」
真面目な母親編。
産業スパイにしろ、国家スパイにしろ、こんなおまぬけなスパイ
どこも雇ってはくれまい…。
パターン2:
「フッフッフッ…(無意味に笑い、不敵さを醸し出す)。
バレちゃあ、仕方がない。何を隠そう、本当は会社に行くフリをして、
スパイのひみつ本部からの指令を受け、ごくひミッションをすいこうしているのだ!」
なりきり母親編。
こちらもイマイチな切り返しである。
何を言っているのか、5歳児にはチンプンカンプンであろう。
それにしても
「スパイ」なんていう言葉、どこから仕入れたのだろうか。
…あ。
小声で聞いてくる「本当は、スパイなの?」には
こう答えないと、いけなかったのだ。
「ぐわっはっはっはっは!
スパイなんてものはなぁ、もっと勤勉なやろうがやるもんさ。」