のし袋と昔話4/5
ご婦人が帰られてから数分後。
旦那さんは
ハトよりは大きい、あまり見かけない形の鳥が
窓を横切ったような気がした。
旦那さんのデスクは、窓に向かって置かれている。
念のため確認をしに外へ出た。
カラスのカアカアという激しい鳴き声が聞こえた。
カラスの声は、会社裏からであった。
裏にまわって個人宅の庭を見ると、カラスが二羽
羽をバタバタさせながら
交互に牽制しつつ、何かを突いて攻撃していた。
その何か、は
逃げたオウムだと直感的に悟った。
旦那さんは
庭にずんずん立ち入り(個人宅)、
すぐにご婦人に連絡をした。
人の気配と人の話し声を察知し、野性のカラスは
追い払う前に飛んでいった。
人に慣れているその鳥は、旦那さんが近づいても
その場に留まっていた。