本屋さんとの約束2/3
つい先日、その本屋さんに寄る用事があった。
子どもの習い事の送り迎えで通る道の途中にあるので
nにとっては、なにかと便利な位置にある。
住宅街にひっそりと佇むそのお店は、
古本屋のような名前で、店構えも古本屋のようである。
店に入ると
高齢のおばあちゃんが一人、椅子に座ってレジ後ろのTVを見ていた。
その足元には、秋田犬のような犬が丸まっていた。
段ボールの中で、目をつぶっている。微動だにしない。
お客さんは、n以外いなかった。
ひょっとしたら数時間前から、数日前から、数週間前からも
いないのかも知れない…。
まったりした雰囲気が漂っていた。
このお店だけ、時間の流れるスピードが外の世界とは違う。
今は亡きご主人のお店を継ぎ、たったお一人で切り盛りしているのかな、
とnは想像した。