先輩のご決断2/2
nに退職の告白をした翌々日
先輩は
近しい同僚2名を誘い、ランチに行った。nも付いていく。
お食事の中盤、先輩は切り出した。
「実はさ…みんなに話したいことがあるんだ…。
私…この会社を辞めることになったの。」
同僚2名は、ショックを受けて固まってしまった。
悲しそうな面持ちで
先輩の話に耳を傾けているうちに、だんだんとうつむき加減になってきた。
一人が呟くように口を開く。
「先輩なしで、これからどうしたら良いんだろう…。」
「話したいことがある、って聞いて何か嫌な予感がしたんですよね…。
そっかぁ… 転職かぁ…。」
二日前にnが受けたの同じ衝撃と悲しみを、ただ今
2名の同僚が耐えている。。。
そんな同僚の様子を傍らで見るのも、また寂しかった。
四人の間に漂う一種気まずい雰囲気を打破しようと
先輩がnにジョークを言う。
「あれぇ?nちゃん。そんなにお料理残してどうしたの?
(私が辞めるという知らせを受けて)ショックで食欲がわかないとか?
私のためにぃっ!」
n、ジョークには応えず、真面目に答える。
「いいえ。
単に鼻が詰まっていて、お腹がいっぱいになってしまっただけです。」
…
鼻が詰まったからといって
お腹は、いっぱいにはならない。
このおかしな論理展開に、突っ込む人はいなかった。