どこをどう間違ったのか?
夕方。
次男がベランダの窓を開けて、外を見ている。
長い間、見ている。
外に何かいるのかな?雀とか、のら猫とか…。
様子を見に行く。
何もいなかった。
「夕方の風は少し冷たいから、まど閉めようね。」
とnが言うと
「お日さまを見ているの。」と言う。
「お日さまがしずんでいくから、見てるの。」
黄昏時―
夕飯の準備と、
洗濯物取り込み&たたみと、
明日の学校の用意と宿題と、
保育園の準備と、連絡帳の記入と
自身の明日の会社準備と、それから、それから…
全てを高速で済まさなければならない時間帯に
ゆっくりと沈む夕日を眺める次男。
彼の時間は、
私のとは違った流れ方をしている。
長女が生まれたばかりの頃、
首も座らない時から横抱っこで
ほぼ毎日、夕焼けを見ていた…
覚えたての童謡なんかを口ずさみながら。
「明日も晴れるねよぇ。」なんて話しかけながら。
それでも、時間はまだまだ沢山あった。
現在のnと照らし合わせても、とても同一人物とは
思えない。
眉間にシワを寄せ
時短と効率が命!の気ぜわしい母も、
かつては
沈みゆく夕日を眺めて一日の終わりを確認する
ゆったりとした母であった。
この10年の子育ての間に
どこを、どう間違ったのか
知りたい…。