上から水溜まりが降ってくる2/4
昨日からの続きです。
nは水溜まりのある上の方、つまり天井を見上げた。水が漏れた形跡を探して。
漏れるというより、降ってきたという感じの音だったので、
野球ボール大くらいの穴が空いているかも知れない。
しかしいくら探しても
穴なんぞ、どこにも空いていなかった。
破水したときのような
勢いのある水の落ち方だった。
nは、破水したか?
いや、妊娠すらしていないぞ。
結局その水がどこからやってきたのか、
その水は何だったのか、その場では究明できなかった。
謎の水をめぐって現場検証をしている場合ではなく、
仕事後の母は、保育園のお迎えにダッシュしなければならない。
「いきなり水が降ってきたけど、それより保育園のお迎え、お迎え~!」
物理的に説明できないこの現象も、保育園へのお迎えに、負ける。
現実問題でいっぱいいっぱいなのであった。
もっと心と時間にゆとりのある人に対して起こった方が
関心度も高まったのに。
ざんねんでならない。