チキン売りの少女2/2
「マッチ売りの少女」では、少女の命は
マッチの如く、はかなく燃え尽きてしまう。
クリスマスの夜だったか、大晦日の夜だったか・・・。
私たちの”チキン売りの少女”は、大丈夫であろうか。
習い事の長女を送り届けた帰り道、再びお店の前を通る。
自転車で通り過ぎる3秒の間に
チキン売りの女性を、ごく控えめに確認した。
だぶだぶの赤いコートを着て、サンタ帽をかぶっていた。
防寒用ではない。コートも帽子も、パーティー用である。
「冷え」は女性の敵だ。。。
一時間後。
習い事が終わった長女のお迎えに、またお店の前を通る。
これで三往復目。
先ほどと変わらずサンタ衣装の女性は、お店の前に立ち
チキンを売っていた。
冷え込みが増す。
チキンを買うお客さんは、いまだ現れない。