PCをオーブンの上で…2/4
こんがり焼かれた、我が家のノート型PC。
焼き色は付いていないが、もはや使い物にならないであろう。
いち早くこの惨事を知らせねばならぬ人がいた。
旦那さんである。
なんと言おうか…
泣きそうになりながら考える。
正直に話そう。
仕事中にかかってくる電話、仕事中にかける電話は
家庭で緊急事態が発生した!の意であり、
夫婦間では暗黙の了解となっている。
旦那さんは、
「もしもし?」でも「はい?」でもなく
こう言って出た。
「え?どうした??」
「あの…あの…。オーブンの上に、ノート型PCを乗せたまま焼いてしまいました。」
「ああ。今朝作ってたグラタンか。」
「はい…そうです。ごめんなさい…。」
「ああ。(嘆息。そして沈黙。)
…分かった。仕方ないね。」
グラタンは帰宅後に私が焼くから、
と母に一言伝える手間を、どうして惜しんだのか。
ものの数秒で済むことであろう。
泥水を飲んだような気持ちになりました。