neillot’s diary

サラリーマンで三児の母の、はちゃめちゃ感あふれる日常

ひよこさんからのお手紙1/5

先週の続きです。

neillot.hatenablog.com

 

 

Rくんへ

 

ピヨです。元気に過ごしているかな?

 

突然お別れになってしまった時から

「ひよこさん、地面に落ちてるのかな。雨にぬれてるんじゃないかな。独りでブルブルふるえてるんじゃないかな。」

 

ってぼくのことを心配してくれるよね。

 

どうもありがとう。

 

大丈夫だよ。ぼくはこの通り、元気いっぱい。

地面に落ちてもないし、雨にぬれてもないし、ブルブルふるえてもない。

おまけにパパとママとも一緒だよ。

 

Rくんは「ピヨピヨちゃんには、パパやママはいないの?」

と聞いてたね。

いるさ。ゆび人形のくにに、いるよ。

 

そうなんだ、ぼくはゆび人形のくにに帰ってきた。

 

ゆび人形のくには、お空の高い高いところにある。

聞いたことないかも知れないから、教えてあげるね。

 

まず、おさかな雲を超えて、その次にいるか雲を超えて

そのまた次にくじら雲を超えると、モコモコのもみの木雲が見えてくる。

そのもみの木雲を右に曲がったところが、「ゆび人形のくに」だよ。

 

Rくんのポケットからぽろっと落ちた時が、ぼくのしゅぎょうの終わりだったんだ。

 

何のしゅぎょうかって?

立派なひよこの指人形になるためのしゅぎょうだよ。

 

ぼくのくにでは、指人形さんたちはみんなしゅぎょうに出る。

にんげんの子ども達が住むお家に行って、一緒に暮らすんだよ。

しゅぎょうでは、楽しく遊んでもらえるか、かわいがってもらえるか、がテストされるんだ。

 

しゅぎょうは、大事なおもちゃとして

にんげんの子どもににんていされたら合格なんだ。

 

Rくんのポケットに入って一緒にお外に行った日、ぼくは合格した。

そしてゆび人形のくにへ帰った。だからRくんのせいじゃないよ。

 

 

6年前、ニワト王は(ニワト王は、ゆび人形のくにの王様だよ)

 

「そなたの行くお家が決まった。Rくんという0歳の男の子がいるお家である。

3歳のお姉ちゃんもいるぞ。その子たちと仲良くなってきなさい。」って言った。

 

ぼくはワクワクした。

 

赤ちゃんだったRくんは

ぼくを一目見て、気に入ってくれたね。

年長さんになっても、それは変わらなかった。

 

保育園で、ぬいぐるみ病院がひらかれた時、

たくさんのぬいぐるみの中からぼくを選んでくれたのは、嬉しかったなぁ。

ぼくは指人形で小さいから、ダメだと思ってたの。

Rくんと一緒に保育園に行けて、夢のようだったな。

 

 

Rくん、嬉しいニュースがあるよ。

 

 

 ぼくには弟がいる。

その弟が、こんどRくんのお家に行くことが決まったんだよ!

 

もっと寒くなってからだ、とニワト王が言ってた。

12月、サンタクロースさんに連れられてやってくるだろう、って。

だからRくん、楽しみにしてて!

 

ぼくと似てるかな?似てないかな?

ぼくの弟も、かわいがってあげてね。

 

 

ぼくはここ、高いお空からRくんを

いつも見守っているよ。 

 

 

ひよこさんより