ぬいぐるみ病院と母の妄想3/3
「三股は止めた方がいいよ。」
じゃなかった、
「ぬいぐるみさんは、一つに絞った方がいいよ。」と諭した。
「無くさなくて済むしね。」と畳み掛ける。
「三つ持っていって、三つとも無くしたら悲しいよね。代表で一つを大事に持っていったら?
一つだけなら、ちゃんと守れると思うよ。」
無くすことを前提とした口ぶりである。
実際長男は、ひよこの指人形を一度無くしている。
「無くさないように一つだけ」は、絶大な効果があったようだ。
迷いに迷って
指人形のひよちゃんに決めた。
でも
指人形じゃ、小さすぎるんじゃないか。。。
どうやって、模擬診察するのか。
再びわき上がる、母の妄想。十年後。
息子の選んだ彼女、ひよりちゃん(仮名)に
「小さすぎる」と、難癖をつけている
口うるさい母親…。