マニキュアに時の経過を感じる1/2
子どものプールに付き添うと、否が応でも裸足になる。
「爪の色彩に乏しいな。」
自分自身のことに注意関心が向いた自分に、驚いた。
毎夏プールに連れて行っているのに、自分の足元、ましてや自分の爪なんかに注目したことは、
子供が生まれて以来、久しく無かった。
手のかかっていた末っ子も、最近は一人で出来ることが増えた。
長女長男と同じような日常の基本動作が出来るようになった。
24時間&365日の育児の臨戦態勢が
少しずつ解けてきた。
だんだんと手が離れる、とはこういうことか。
「フットネイル、してみよう…。」
子ども達が寝静まってから、いそいそと準備をする。
一通りのネイルグッズは揃っている。
足の指同士の間隔を広げるセパレーターは、すぐに見つかった。
「さて、マニキュアはどこにあったかな?」
ガサゴソと化粧品の棚を探す。
あった。
ほこりをかぶっている。
蓋が開かないほどマニキュア液は、
カチカチに固まっていた。