ひで伯母さん1/3
nが小さかった頃。
夏休みは、母方の祖父母の家に遊びに行っていた。
そこには祖父母の他に
母の兄である伯父と、ひで伯母さんがいた。
nと歳の近い、いとこもいた。
ひで伯母さんは
いとこより3歳年下のnを、可愛がってくれたように思う。
「nちゃんを見てると、娘の3年前を思い出すわ…。
ちょうどこんな風だったなぁ。」
ヒマワリのように明るい人だった。
親戚家族がみな帰った後も、私達だけは
ひで伯母さんの家に居座っていた。
nが「もっといたい!」とリクエストしたのか、
実家でゆっくりしたいnの母が「もう少しいてもいい?」とnの祖母にお願いしたのか。
毎夏、一週間は泊まっていたと思う。
ひで伯母さんは、働いていた。
まだまだ夏休みを満喫している私達家族がのっそり朝ごはんを食べていると、
夏休みの終わったひで伯母さんは、シャネルのスーツに身を包み
颯爽と会社へ出かけて行った。
「nちゃんたち、ゆっくりしてってね。じゃ、いってきます!」
お盆が終わり会社が始まってからも、なおも居続ける
義理妹の家族。
どう思っていたのだろう。
当時子供だったnは、知る由もない。
現在は、知る術もない。