ティーンネージャーに告ぐ
夏である。
家の窓を開けっぱなしにする機会が増える。
集合住宅では、夏になるとご近所さんの声が聞こえやすくなる。
休日の午後。
廊下に近い部屋で洋服の整理をしていたn。
バタン!と乱暴に閉まるドアの音を聞いた。
うちか?
違う、上の階からだ。
「人をこき使って!!」という泣き声とも叫び声ともつかない怒りに震えた声。
子どもの声である。女の子だ。
父親と母親をものすごい言葉で罵っている。
ドンドンドン!!
ドアを叩いている。
ちがうな、足で蹴っとばしている。
母親が冷静に注意しているが、聞いちゃいない。
捨てゼリフを叫んで、出て行ったようだ。怒りの足音が、廊下に響く。
反抗期。
我が家の長女も、あと数年で迎えるだろう。
ティーンネージャーよ。
理不尽なこと、矛盾していること、おかしなことは世の中、沢山あるだろう。
それらを鋭く突きなさい。
そして、どんどん反抗なさい。
そうして、親を、大人を、乗り越えよ。
あなた達は、幸せなことに
反抗できる状況にあり、反抗する対象もいます。
nは
反抗できる機会も対象も無いまま大きくなった大人を
知っている。