職業 保育士。裏の顔は殺し屋2/2
また別の日、先輩と昼休み散歩に出た。
先週末、先輩の保育園では
先生たちと保護者が主催する、盆踊り大会があったそうな。
園庭の真ん中にやぐらを組んで、子ども神輿も担ぐらしい。
大規模なお祭りのようだ。
先輩の息子さんはMくんという。
「Mは、夕方から寝ちゃってさ。途中で起こして行ったからご機嫌ナナメで。
こんなテンションでお祭りに参加するのかぁ…と思いながら園に向かったの。」
ジンベエを着せて、うちわも持たせて、やぐらをバックに写真を撮りたかった、という先輩。
昼寝途中で起こされた息子さんは不機嫌さMaxで、
先輩のテンションも下降調になったという。
「そしたら園玄関で、K先生に会ったの。ぐずっている息子を見て、
”Mくん。せんせいとあっちの、たかーいやぐらのドンドンだいこ、見に行こっか?”と、連れ出してくれたの。」
「すんなりよ。それまで私にひっ付いて泣いてたのに。そしてあっという間にご機嫌になって戻ってきた。」
「私、K先生を見直したよ。
新人の先生を必ず退職させる、凄腕の殺し屋だけど、さすがだなぁ~って。」
凄腕の、凄腕たる所以は
本来こちらの方面でいかんなく発揮されるべきである。