ヴェルテルくんの相談事5/5
恋愛相談を持ちかけられた当時、
悩めるヴェルテルくんは、いよいよ退職する間際で
ドスコイなnは、これから産休に入る時であった。
ヴェルテルくんの最終出勤日、彼が密かに耳打ちしてきた。
「例のことは、秘密にしていただきたいのです。」
ですよね。
nには言いふらす対象もいないので大丈夫ですよ、と約束した。
第一
その、気になる女性が誰だか分からない。
そして一年後の育休明け。
みなさんが復帰祝いのランチ会を開いてくれた。
nの前の席には、ヴェルテルくんの後に採用された同僚(女性)が座った。
彼女とは数週間しか一緒に働かないうちに、nが長期休みに入ってしまったな。
どんな方なんだろう。
そういえば彼女、ヴェルテルくんと少しだけ期間がカブってたな。
あ、もしかして。
好奇心がもたげた。
さりげなく小声で、彼女に聞く。
もう辞めてしまった〇〇さんから、
前にかくかくこういう相談を受けまして、相手の女性って…?
「ええっ、私じゃないです!!そんなことがあったんですか!全然知らなかったです!驚きました!」
と、とても驚いていた。
彼女ではなかった。
翌日。
「聞いたよ~nちゃん。辞めたヴェルテルくんの話。私たちの中で、誰が好きだったんだろう?」と、
みんなが詰め寄ってきた。
・・・バレている。
バレているどころか、すっかり広まっている。
ふとした好奇心をもたげると、こうなります。
ヴェルテルくん、ごめん!!