母上の秘密1/2
かめのじょうを放った池がある公園へ、遊びに行って来ました。
放流してから数ヵ月ぶりに訪れます。元気で暮らしているか、見てきました。
かめのじょうについては、こちらで触れています。
neillot.hatenablog.com
母も、ついでに誘いました。
公園へ行く前に
「ばぁばはこの公園に行くのが初めてだから、みんなで道案内をしてあげよう。」と
子供たちに話していたら
「前に撮影で行ったことがあるのよ。」と母。
え、撮影?!
「もう40年くらい前だけど。」
初耳です。
「撮影って、撮影スタッフで?つまりカメラのこちら側?」
「ちがうちがう。カメラの向こう側よ。」
母はその昔、モデル業とか女優業をしていたのだろうか?
娘のnは、知らんぞよ。
「雑誌の撮影で来たのよ。ヘアカタログだけど。」
カットモデル…
モデルさんじゃないですか。
娘は知らない、母の青春時代。
カットモデルの他にも、美術モデルもしていたらしい。
デッサン、クロッキー、彫刻、写真などなど、ジャンルを問わず
頼まれついでにモデルを務めていたという。
「卒業から結婚するまでの、ほんの短い間よ。」
デッサンということは…裸婦にも挑戦したのだろうか。
「モチーフで、裸婦は人気なのよね。今もそうじゃないかな。」
もったいぶって、すぐに答えない母。
再度、恐る恐る聞く。
「私はやらなかった。
芸術のために一肌脱ぐ勇気と自信がなくてね。」
当時の母に、勇気と自信があったなら
自分は、今、ここに、存在していないような気がします。