福助さん1/2
マンウォッチングのターゲット、福助さん。
今回は彼について取り上げてみたい。
福助さんは、地元の駅構内でお見かけする。
時間に余裕を持ってご出勤する福助さんは、乗車位置の列より
少し離れたスペースで、毎朝スマホを見ている。
「ぐふふふ・・・」と笑っていることが多い。
スーツに首がずぶずぶと埋まっている。
その姿は、足袋メーカ「福助」のイメージキャラクターに似ていた。
足袋の福助をいま一度、画像検索するとー
座布団の上にちょこんと座り、両手をそろえて、かしこまっている。
まこと愛嬌のあるお顔。
イメージキャラクター同様
動く福助さんを見たことはない。
いつだか急いで飛び込んだ車両に、福助さんが乗っていたことがあった。
両腕をつり革にかけ、立ったままご瞑想中の福助さんは
微動だにしなかった。
「やっぱり福助さんで間違いなかった・・・」との思いを強めた。
人は見た目で判断してはいけない―
完全に見た目で判断している。