それぞれの呼び方
昼休みに先輩とおしゃべりをしていた時、
最近失くしものが増えてきた、という話が出た。
先輩「どういうわけか、服にありがちじゃない?」
n「ありがちです。今までに消えた服、たくさんあります。」
先輩「要はしまい失くし、なんだよね。」
n「その通り。家の中にあるはずなんだが、見辺らないの。」
先輩「で、ある日、突如姿を消したことに気付くんだよね。」
家の中をしらみつぶしに探せば
どこかにはある。
洋服箪笥の引き出し奥が、怪しい。
クローゼットのハンガー下が、怪しい。
と隠れていそうな場所は見当がついているのだが
探す時間が、見い出せない。
よって長い間、気になりつつも失くした状態が続く。
やがて、その存在を忘れてしまう。
以前から先輩は、「家庭内失踪」と呼んでいた。
以前々からnは、「こつ然組」と呼んでいた。
呼称は違えど、同じ現象を指している。