被害妄想と誇大妄想2/2
先日の鳩の死骸事件は
速やかに管理人さんに連絡して、無事収束した。
しかし夫婦間では、鳩の死骸にまつわる推理で白熱していた。
―犯人の人物像とは?
旦那さん:「野良猫であろう。辺りに散らばっている羽から推察するに、あそこで鳩と猫が争った。現場は、このマンションの廊下だ。」
n:「名推理。猫や犬なら、急所を突いた攻撃も納得できる。
しかし、胸に空いた直径4~5㎝の丸い穴は、犬猫にはあけられまい。」
―犯行時刻はいつ頃か?
旦那:「昨夜2時には、廊下には無かった。」
n:「管理人さんが、ごみ箱を道路わきにまとめてくれるのが、毎朝7頃。
私が鳩を発見したのは、8時ちょっと前。」
旦那:「ということは、朝の一時間以内の犯行か…。」
n:「動物同士が争っていたなら、犬猫鳥の鳴き声が聞こえそうなものだが?」
旦那:「聞こえなかった。となると、何者かが置いていった…か…。」
n:「誰かが脅しのために置いた、というマフィア陰謀説は?」
旦那:「妄想の仮説にすぎない。辺りに散らばった羽の説明がつかない。
脅しで置いたなら、羽を散りばめる必要はない。」
n:「ぎゃふん。」
論破されました。