旦那さまの隠れた才能3/3
その男の子のママが来た。
授業が終わると
ママは、その子のお道具箱と筆箱を調べ始めた。
「お道具箱と筆箱を見せてね。」
学校へ来た際に
お道箱の中はぐちゃぐちゃになっていないか、
お道具箱の後ろがわにクチャクチャになった配布物は無いか、
文具類は壊れていないか、
消ゴムが練りけし化していないか、
などをチェックしたい
という魂胆は、男の子のママなら誰しも持つだろう。
(長男が休み時間に外で遊んでいる隙に、nもガサ入れしました。)
筆箱の中身を見ていたママ、クワガタの切り紙を見つけた。
「あれ?これはどうしたの?」
と男の子に聞く。
「パパが作ってくれた。」
「えっ、ええーっ!」
「折り紙で切ってくれた。」
「ほんとう?やだ、全然知らなかったんだけど!
えー何コレ、すごいんだけど!器用…!」
と嬉しそうに驚いていた。
夫婦同士でも知らないことは、まだまだあるのですね。。。
旦那さまの隠れた才能2/3
その男の子のパパは、
折り紙を半分に折って長方形にし、
何やらちょきちょきと複雑な線を切り始めた。
鉛筆で下書きもしていないのに、
細かい部分も、ほそい箇所も、器用にすいすいと切り進めている。
そばで見ている三人の、
何ができるのかな?という期待が
膨らみに膨らんだ頃、ぱっと折り紙を広げた。
水色のクワガタがあらわれた。
「うわ~!」とその男の子。
パパの切り紙がすっかり気に入った男の子は、
色んな角度から切り紙のカブトムシを眺めていた。
「すごい…パパ!」
休み時間が終わると、
大切そうに
切り紙のカブトムシを筆箱にしまった。
「ここに入れようっと。」
旦那さまの隠れた才能1/3
週末に学校公開があった。
今春に長男が入学したので、
学校公開に連れて行くメンバーは、未就学児の次男のみ。
ちょろちょろ動き回り騒ぐことには変わらないが
見張りの対象が一人なだけ、だいぶ楽になった。
長男の教室内での休み時間のこと。
長男は、さっさとお外へ出てしまったが、長男の席の隣に座る男の子は
折り紙で遊んでいた。
ハサミを使って、切り紙をしていた。
三角形に2度折った折り紙のあちこちに
切り込み模様を入れている。
とても集中している。
次男は、何が始まるのだろう?という様子で
ちょきちょきに見入っていた。
「見て!」
男の子は、広げた折り紙を
次男とnに見せてくれた。
「じょうず!じょうず!」
「おにいさん、すごーい。」
そこへ
その男の子のパパがやって来た。
「お、アラベスク模様か。ちょっとパパに貸してみ。」
男の子は、パパに
水色の折り紙とハサミを手渡した。
6月
第一週
会社がバタバタしていて、一週間が終わる。
第二週
義理父に花を贈ろうと、地元の花屋さんを訪ねる。
一ヶ月前、その花屋さんから義理母に花を送った。
売り場から
はみ出さんばかりに色とりどりのカーネーションが溢れていた。
花束や、アレンジメント、メッセージカードや、フラワーギフトのパンフレットもあって、大変盛り上がっていた。
「今度はどんなアレンジメントを贈ろうかな。」
あれ?
仏花や、普段使いのお花があるばかりで
父の日の「ち」の字も無かった。
母の日はカーネーションという定番の花が存在するが、父の日にはない。
それにしても、
この盛り下がり具合は、どういうことだろう。
店員さんに聞いてみる。
「あのぅ…
母の日に、こちらの店でフラワーアレンジメントをお願いした者ですが、
父の日のにも送りたいのですが…
確か(母の日には)パンフレットがあそこら辺にあったと思ったのですが…。」
「ああ、パンフレットは無いんですよね~。
父の日は、フラワーギフト自体が無いんですよ~。」
無念!
第三週
ということで。
もう一人の実父には、花以外のプレゼントをあげることにした。
妹も協賛する。
タオルハンカチと靴下とメッセージカード、ベタである。
ハンカチも靴下もどこまでもオーソドックスな柄をチョイス。
経験的に
私たちの好みで送りつけると、使ってくれないことが実証されているからだ。
妹も私も
若干不満げな柄ではあったが、当日妹が父に手渡してくれた。
その日の夜―
父からお礼のメールが来た。
結びに「持つべきものは女の子」と書いてあった。
・・・ようわからん。
第四週
保育園のお迎えから帰ってきて。
夕方―
手を一向に洗わない次男をたしなめつつ、
集中しないで宿題をだらだらやっている長女を急かし、
弟にちょっかいを出し続けている長男を叱りながら
夕飯の準備をマッハでやっつけている時に、旦那さんからLINEが来た。
「子供たち、生きているだけでだいたいオッケー。元気に育ってくれるだけで。
突然だが、そういう気持ち。」
…
「はい?」
どんな次元での話なのか。。。
イメージでものを言われても…実際の日常は、こんなんですがね?
おそらく。
先の長女長男の誕生日で
産まれてから今までの成長の記録を、一人で振り返ってからの
LINEだったと思われる。
愛と感謝の気持ちが、相当盛り上がっている。
「そうだね、産まれてきてくれてありがとう、という気持ちでいっぱいだね!」
自分、アカデミー賞を狙える演技力だとおもう。
アイススケート、10年の変化
今年の旦那さんからの
ホームドクターとは3/3
同僚は
先日nが受診した病院に、好印象を抱いたようだ。
実際に行った身近な人から感想を聞くのが
一番である。
その感想は、時として個人的な好みに基づいて
偏りがあるけれど。。。
同僚の住む地元の病院は、冴えているとは言い難いらしい。
患者にお年寄りが多く
先生もお年寄りを数多く診ているので、診察も
「老化現象ですね。」の一言で片づけられがちだという。
同僚「私もう若くはないけど、いくらなんでも80代の人とは同じじゃない!」
n「診察がおおざっぱすぎだわ。」
同僚「処方された薬も、全然効かなくて。咳でものすごく苦しかったから
会社付近の病院へ駆け込みましたよ。」
n「そういえば、その病院はHPに
〝ビジネスマンのみなさまのホームドクターを目指します〟と書いてあったよ。
考えてみたら、家付近の先生じゃなくても、かかりつけ医にできるんだよね。」
同僚「ええ。転職などで勤務地が変わらない限りは。」
ホームドクターとは2/3
会社付近の内科を受診した翌日、
皆さんに報告した。
「とうとう病院へ行って来ました~。昨日から処方された薬を飲んでます。
これでnの騒音も少しずつ解消されるかと思います…。」
「行けて良かったね。」
「処方薬を飲めば、いくぶん楽になりますね。」
咳&鼻かみ騒音がやっと止む、ということで
皆さんヤッホ~!であったに違いない。
(それだけオフィスが静かなのです。)
細かいアドバイスをくれた同僚は、nに聞きたいことがあるらしかった。
「どんな雰囲気の病院だった?」
彼女は気管支が弱いらしく、体調を崩すと
ときどき気管支炎の症状が出る。
会社のそばで頼れる病院をいくつか押さえておきたいらしかった。
いかにもな病院っぽさはなく、サロンやカフェのような待合室で、
あまり待たされずに通されたこと、
問診が丁寧だったこと、
簡単な言葉で、症状を説明してくれたこと、
患者の要領を得ない質問にも根気よく答えてくれたこと、
を伝えた。病院のHPアドレスも添えた。
先生も受付の人も
若くて感じが良かった、と言うと
「ちなみにどの先生?」と添付したアドレスを開きながら聞いてくる。
この先生だったよ、と教えると
「若くてイケメンだね!」
重要視するポイントは、人によって違うようです。